高齢者ワクチン接種、GW明けに本格化 再拡大防げるか
高齢者への新型コロナウイルスワクチンの接種が12日、始まった。当面はワクチンの量が限られ、全国で接種が本格化するのは5月以降となる。東京、京都、沖縄の3都府県では同日、緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」も追加適用された。各地で感染が再拡大するなか、接種が順調に進みいち早く効果が上がるかどうか、時間との勝負にもなりそうだ。
今回、対象となるのは65歳以上の高齢者約3600万人。米製薬大手のファイザー社製のワクチンが使用され、3週間の間隔をあけて1人2回接種する。自治体によって、クラスター(感染者集団)防止のために高齢者施設を優先したり、先着順の予約にしたりとやり方は異なる。政府は6月末までに、高齢者向けの全てのワクチンを自治体に配送する予定だ。
12日は、供給できるワクチンの量が限られるため、一部の自治体での先行接種となった。首相官邸によると、同日午後7時までに高齢者への接種は1139回だったという。菅義偉首相は同日、東京都八王子市の高齢者向けの接種会場を視察し、石森孝志市長に「ワクチンは感染対策にとってまさに決め手なので、一日も早く多くの皆さんにお届けできるよう取り組みたい」と話した。
ワクチンが全国の市区町村に届くのは26日の週からで、本格化するのは大型連休明けだ。5月10日から2週間かけて配送する予定の約93万6千人分(1瓶から6回接種換算)が市区町村に届くのは、5月下旬以降とみられる。政府は、6月末までに約1億580万回分を配送できるとの見通しを示す。欧州連合(EU)が輸出を承認することが前提だが、優先接種の対象である医療従事者と高齢者の分は行き渡り、持病のある人の一部へも始められる計算だ。
ただ、この間に、感染力の強…