宿題にもストイック 陸上界の新星が自分を褒めた理由

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辻隆徳
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 今後の日本女子陸上界を背負って立つヒロインは、筋金入りの「ストイック」だ。東京オリンピック(五輪)女子5000メートル代表に内定した田中希実のぞみ)(21)=豊田自動織機TC=の姿勢には家族も驚く。ところが、10日のレース後には自分を褒める発言が飛び出した。東京五輪まで3カ月余。どんな変化があったのか。

 昨年12月、日本選手権で女子5000メートルを制し、五輪代表に内定した翌日。田中は記者会見で、にこりともしなかった。

 「技術や体力を上げていく必要はあるし、精神的な弱さを自分自身で感じていた。そこの部分の底上げをしていかないといけない」

 1500メートルと3000メートルの日本記録保持者であり、21歳ながらいまや追われる立場。全く浮かれることなく、自分の走りと真摯(しんし)に向き合い、さらに上のレベルを追い求めることだけを考えている。

 今月3、4日にあったミドルディスタンスチャレンジでは、3000メートルと1500メートルに出場。両種目を制しても、「気持ちの緩みが出ている」と分析したうえで、「もっと正面から自分と向き合わないと」。口から出たのは、反省の言葉ばかりだった。

 田中は自分に対して厳しい言葉を並べることが多いが、妹の希空(のあ)(16)によると、それは競技に限った話ではないという。

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 小学生のときのこと。希空は…

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