【詳報】「東京も大阪のような状況になる可能性」尾身氏

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 新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が5日、初めて適用されました。対象地域は大阪市神戸市兵庫県西宮・尼崎・芦屋各市、仙台市の計6市。適用初日、菅義偉首相や首長はどう説明したのか。専門家が語った見通しは。街で暮らす住民の様子は。タイムラインで詳報します。

08:00 大阪駅

マスク姿の通勤客「感染の恐怖。リモートにして」

 朝のJR大阪駅は、マスク姿の通勤客で混雑した。

 神戸市から大阪市内の会社に通勤する40代男性は「特に往来する人の数には変化はなく、いつも通りに見える。(重点措置は)緊急事態宣言と比較して実効性がどれくらいあるのか疑問」と話した。

 大阪府茨木市からJR京都線で通勤してきた会社員の女性(44)は「電車内はいつも通り満員で、ずっと立っていました。車内では皆マスクして無言だとはいえ、大阪では感染者がすごく増えている。『いつも通りでいいのかな』って不安はありますね」。会社は緊急事態宣言中はリモートで在宅勤務だったが、今回の重点措置ではリモート勤務は実施されないといい、「感染の恐怖がある。リモート勤務にしてほしいというのが正直なところですが、仕方なく通勤してきました」と語った。

08:00 仙台市

国分町の納入業者「いっそ休業要請を」

 東北地方最大の繁華街として知られる仙台市青葉区の国分町。重点措置の適用が始まった5日朝には、多くの居酒屋や仙台名物の牛タン焼き店の入り口に「一時休業」や「営業時間短縮」を知らせる貼り紙があった。

 仙台市内では5月5日まで、すべての飲食店で営業時間が午後8時までとなり、酒類の提供は午後7時までとなる。

 居酒屋におしぼりを搬入していた50代の男性は「お酒を出せるのが午後7時までじゃあ、会社員が仕事終わりに飲みに行くのは、ほぼ無理じゃないですか」とぼやく。

 男性の取引先にも、重点措置を受けて一時休業を決めた店が多いという。「だったらいっそのこと休業要請を出してほしい。行政には飲食店だけでなく、納入業者にも目を向けて欲しい」と訴えた。

08:00 天王寺駅

通勤客「なんも変わってない」

 午前8時ごろ、大阪市のJR天王寺駅では、普段と変わらず多くの通勤・通学客の姿が見られた。

 大阪市住之江区の保険営業の女性(29)は「普段と何も変わってないですね」と淡々と話した。過去2回の緊急事態宣言では在宅勤務となったが、今回の重点措置ではそれもない。この日も戸別訪問の予定があり、顧客と顔を合わせるのも気が引けるという。「国ももっときつく言ってくれんとあかんのちゃうかな」

 堺市から大阪市内に通う契約社員の遠地典明さん(65)は「(重点措置で)ちょっとは人も減ると思ったけど、なんも変わってないね」と苦笑い。「もうみんな自粛に飽きている。ずっと同じことを繰り返すだけでしょう」

 大阪市内のOA機器メーカーに通う奈良市の男性(23)も「何か変わったと感じることはない。会社から何も言われていないし、みんな気にしていないのでは」と話した。

08:30 大阪市此花区

USJの観光客「対策、中途半端かも」まん延防止

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)は朝から、春休み中の中高生や家族連れでにぎわい、数カ所に分かれた係員が、検温しながら笑顔で迎え入れていた。

 中学時代の友人2人と待ち合わせをしていた、今春に高校へ入学する大阪市内の男子生徒(15)は「(新型コロナウイルスは)気にならなくはないけど、そこまででもない。遊びに来ることも昨日決めた」と話した。

 3家族8人で来た女子児童(10)は昨春まで海外で暮らしていたが、コロナ禍で急きょ帰国。長期休みは「どこにも行けなかった」といい、現地の日本人学校で一緒だった同級生とほぼ1年ぶりに再会したという。一緒に来た名古屋市の30代の女性によると、子どもたちを再会させるにはこの日しか空いていなかったといい、「海外のロックダウンに比べたら日本の対策は全然厳しくない。中途半端なのかも」と話した。

08:30 仙台市

仙台駅の通勤客「客への営業、さらに行きづらく」

 仙台市のJR仙台駅前では5日朝、マスク姿の通勤客らが普段と変わらない様子で行き交っていた。

 宮城県石巻市から通勤する会社員男性(19)は「まん延防止等重点措置」が適用されたことで「営業のお客さんの所に、さらに行きづらくなった」と話した。

 仙台市の飲食店では、営業時間を午後8時までに短縮するよう要請が出た。「仕事が終わるのは午後7、8時ごろなので、飲食店に行くことはなくなると思う。楽しみが減ってしまう」と受け止める。

 重点措置については「中途半端な対策をしても感染者は出る。やるなら、海外の都市封鎖のようにがっつりやるべきだ」と話した。

 就職先の研修に向かっていた宮城県富谷市の会社員沼倉琴海さん(18)は重点措置について「正直、遅いなと思う。もう少し早くやっていたら、こんなに広がることはなかったのでは」と話した。「6時には店内はおしまいにして、テイクアウトだけにすれば、もっと感染を抑えられると思う」と考える。「時短を何回も繰り返すよりは、きついルールを作った方がいい」

09:00 神戸市立王子動物園

パンダ見に来た家族連れ「自粛で、子ども飽き飽き」

 神戸市灘区の市立王子動物園では、午前9時の開園とともに、来園客約100人がお目当ての動物を狙って、カメラを片手に園内を歩き始めた。

 家族4人で市内から訪れた会社員男性(48)の一家は、ジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」がお目当て。重点措置の初日とは知っていたが、長男(6)を抱きながら「休みが取れなくて、比較的空いている平日の昼間を狙ってきた。自粛自粛で、子どもたちも飽き飽きしている」と話した。

 園の担当者によると、例年平日は約5千人が訪れるという。園内に約480本あるソメイヨシノが咲き誇った先月末には、連日約7千人が来園した。

 5日は重点措置の初日ながら、出足はコロナ禍が広がった昨年と同様という。

10:00 大阪市阿倍野区

大阪の百貨店、客が手指消毒して入店

 近鉄百貨店あべのハルカス本店(大阪市阿倍野区)は、地下1階の入り口に営業時間を午後8時までに短縮する内容の貼り紙を貼りだした。開店時刻を迎えると待っていた約20人の客が手指の消毒をして店舗内へ入っていった。

 同店によると、3月には客足が戻りつつあったが、感染の再拡大で落ち込みが懸念されるという。広報担当者は「感染対策は十分しているので、安心して買い物を楽しんでほしい」。

10:30 大阪市阿倍野区

ハルカスの高校生「ちょっと怖いけど…」

 地上300メートルからの眺望を楽しめる大阪市阿倍野区のあべのハルカス。午前中の人影はまばらだった。

 今春から高校生という大阪府松原市の女子生徒(15)は重点措置のことは知っていたが、友人と上層階からの景色を楽しみに来た。「(街を出歩くのは)ちょっと怖いけど、マスクと消毒さえしていれば大丈夫かなと……。もうしばらく遊べなくなるから。今日ぐらいは許してもらいたいです」と話した。

10:30 神戸・三宮

神戸の中華料理店「予約、まるっきりない」

 神戸・三宮の中華料理店「萬寿殿(まんじゅでん)」の入り口には、戎谷(えびすたに)昌樹社長(58)が、閉店時間の午後8時への変更を知らせる紙を貼り付けた。

 店は1~6階に最大500席を設け、例年3~4月は企業の歓送迎会の団体客でにぎわう。3月1日に兵庫県内の緊急事態宣言が解除されて午後9時に閉店時間が延びたが、再び1時間繰り上がる。戎谷社長は「今週は土曜まで予約がまるっきりない。(重点措置期間の)5月5日まではあきらめないと仕方ない」とため息をついた。

11:05 参院決算委

官邸会合、坂井副長官「黙食で数分」 首相に近い有志

 坂井学官房副長官が菅義偉首相に近い自民党の当選4回以下の無派閥有志でつくる「ガネーシャの会」の会合を首相官邸で開いたことについて、「公務」を行う官邸で「派閥」の色合いが強い会合を開くことは異例で与野党から批判が出ている。立憲民主党の古賀之士氏が「官邸の会合の利用規約では、どのような会合でも開催可能なのか」と問いただした。

 坂井氏は「官邸の管理規則に…

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