「鬼滅の刃」で話題、遊廓って? 子供に聞かれたら…

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聞き手・中島鉄郎
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 大ヒット中の映画の続編として年内に放送予定のテレビアニメ「鬼滅の刃」の第2期は、「遊廓(ゆうかく)」が舞台となる。「遊廓って何?」「今はないの?」と子供に聞かれたらどう答えよう。模範解答はない問題だと思うので、ここでは教育者の意見より、遊廓をよく知る側の人に聞いてみたい。かつての遊廓の街、東京・吉原で「遊廓専門書店」を開く「カストリ書房」の店主渡辺豪さん(43)を訪ねた。

 ――この書店に来られるのはどんなお客さんでしょうか。

 「遊廓専門書店だから研究者やマニアを想像するかもしれませんが、そういう方は1割未満。あと9割は、遊廓について漠然とした知識はあるけれどもっと詳しく知りたいと考え、ネット情報を通してこの店にたどりつく方です。お客さんのだいたい8割は20代後半から30代の女性ですね」

 ――女性客が8割も、ですか。

「購入客の約8割ですね。男性と女性では購入額も違います。女性は単行本中心に3、4冊、額では1万円くらい買われる方もけっこういます。男性は新書1冊という方も。かなり額に差があります」

 ――女性なのに、遊廓に関心を持つのはなぜでしょうか。

 「女性なのにではなくて、女性だから、だと思います。男性が、遊廓の仕組みとかシステムを主題にした書籍を求めるのに対し、実際に遊廓や赤線で働いて女性の姿を描いた本を探す方が女性には多いです。自分と同じ性の人たちが50年前、100年前に売春をしていたという事実の意味は何なのか、どんな気持ちで働いていたのか。心のほうに関心が向いているように思います。印象に残っているのは、ご両親に付き添われ来店した中学生の女の子です」

 ――中学生の女の子、ですか…

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