電子戦中隊新編成 国内初システム導入 陸自西部方面隊

屋代良樹
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 【熊本】陸上自衛隊西部方面隊で新たに第301電子戦中隊が発足し29日、陸自健軍駐屯地(熊本市東区)で編成完結式があった。従来の陸・海・空に加え、宇宙やサイバー、電磁波など新しい領域での防衛に対応する「多次元統合防衛力」を構築する一環。

 新部隊は計約80人で18日に編成された。国内で初めて最新装備のネットワーク電子戦システム(NEWS(ニュース))を導入。平時から、電子戦統制装置などを積んだ装備車両で他国軍の航空機や艦艇から出される電磁波情報の収集・分析をする。有事には逆に電磁波を発することで敵のレーダーや通信の妨害・無力化を図る。

 同様の部隊としては従来、東千歳駐屯地(北海道)の第1電子隊があり、第301電子戦中隊は2例目。このほか2021年度末までに朝霞駐屯地(東京都)や奄美駐屯地(鹿児島県奄美市)など6カ所で部隊配備が予定されている。

 この日の編成完結式では部隊の表札と隊旗の授与式があった。電磁波の情報収集・放出ができるアンテナ状の装備をまとった車両も報道陣に公開された。

 新部隊を指揮下に置く西部方面システム通信群長の横山信太郎1等陸佐は編成完結式の訓示で「我が国を取り巻く安全保障環境はこれまで以上の速度で厳しさと不確実性を増している」と危機感を示し、「第301電子戦中隊は、電磁波領域における陸上防衛力の一部であり、専門的機能を備えた重要な部隊である」と述べた。(屋代良樹)

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