柳川の川下りを映像で堪能 コロナでも観光体験を

森川愛彦
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 福岡県柳川市の食品会社「高橋商店」が、今年から自宅で柳川観光を疑似体験できる川下り映像付き商品の販売を始めた。商品に付いたQRコードをパソコンやスマホで読み取ると、美しい風景を川下り舟の乗客目線で捉えた映像が見られる。コロナ禍が収束した後には、実際に柳川へ来てほしいという思いが込められている。

 映像は、社員が実際に川下り舟に乗って撮影したもので、収録時間は約1時間。画面を操作すれば、突き抜けるように澄んだ秋晴れの掘割の風景を上下左右360度見渡すことができる。通常の川下りと同様にベテラン船頭が観光スポットごとに詳しく案内をしてくれており、乗船客しか聴けないご当地ソング「柳川おだん節」の熱唱もある。

 QRコードは「うなぎのセイロ蒸し」や「炙(あぶ)りうなぎ笹(ささ)めし」など、おおむね3千円以上の商品に付く。市内の直営4店で販売しているほか、同社の通販サイトなら全国から購入できる。福岡市デパートとも販売を交渉中だ。

 高橋商店は、ゆずと唐辛子をベースにした調味料「ゆずすこ」や、唐辛子入りのノリのつくだ煮をチューブに入れた「のりクロ」などのヒット商品を開発。近年はゆず関連を中心に海外25カ国に商品を輸出している。ただ、昨年はコロナ禍で観光客が激減し、売り上げも前年比で3割減ってしまった。

 高橋努武社長によると、同社が商品に映像を付けたのもコロナ禍がきっかけだ。「コロナで柳川観光の火を消してはいけない。柳川へ来たくても来られない人のために何かできないか」。そう考え、社内で議論を重ねた結果、自社の特産品を食べながら、川下りをしている気分になれる映像を商品に付けようと決まったという。1月下旬から始めたところ、購入客からは「おもしろい試み」「とても良かった」など好意的な反応が寄せられているという。

 高橋社長は市観光協会の会長も務める。市内の他の土産品店などから希望があれば、ノウハウを伝えたいとしている。映像そのものの提供も可能だという。「できるだけ多くの人が映像を見て、コロナが落ち着いたら柳川へ行きたいと思ってもらえたらうれしい」

 現在の秋編の映像を見られるのは4月30日までで、その後は第2弾として、さげもんめぐりや、おひな様水上パレード、中山大藤など、春の柳川を紹介する映像を付ける予定だ。問い合わせは高橋商店(0944・73・6271)。(森川愛彦)

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