「廃虚の女王」旧摩耶観光ホテル、国の有形文化財へ

有料記事

丸山ひかり 武田遼
[PR]

 文化審議会は19日、神戸市の「旧摩耶観光ホテル」など132件の建造物を、新たに国の登録有形文化財に登録するよう、文部科学相に答申した。

 文化庁や神戸市などによると、旧摩耶観光ホテルは「廃虚の女王」とも呼ばれるなど廃虚ファンに人気があり、有志や地域住民らが現状の雰囲気を保ちつつ保存・活用に取り組んでいる。1930年ごろに民間会社の福利厚生施設として完成。地下2階、地上2階建ての鉄筋コンクリート造りで、当時流行していたアールデコ調のデザインを採り入れた初期の作例の一つとされる。

 戦後、61~67年にホテルとして営業し、74年ごろから合宿施設となったが、93年ごろに閉鎖となった。建物の傷みは激しく、現在は摩耶山の活性化に取り組む地元住民でつくる「摩耶山再生の会」が、所有者の許可を得て建物の見学会を定期的に開き、各地からファンが訪れているという。

 このほか松江市島根県立図書館や、岡山県津山市の中山神社拝殿、鹿児島県屋久島町の屋久島灯台なども答申された。

負の遺産」から一転、聖地に

 神戸の夜景スポットとして知られる摩耶山(まやさん)に廃虚として残る「旧摩耶観光ホテル」が、国の登録有形文化財になる。

 民間会社の福利厚生施設とし…

この記事は有料記事です。残り541文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
丸山ひかり
文化部次長
専門・関心分野
美術、音楽、表現の自由