うまく安く「水素」つくれる 京大など新たな触媒開発

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神田明美
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 京都大学などの研究グループが、水から効率よく低コストで水素を作れる触媒を開発した、と発表した。再生可能エネルギーを使って水素を作り出すのに役立つかもしれない。研究成果が英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載(https://www.nature.com/articles/s41467-021-20956-4別ウインドウで開きます)された。

 水素は、利用する時に二酸化炭素(CO2)を出さないエネルギーとして注目されるが、いまは水素自体をつくるのにCO2が発生する方法が主流だ。天然ガスや石油など化石燃料を原料に、高温、高熱を加えて製造される。

 そこで、研究グループの草田康平・京都大学特定准教授らは再生可能エネルギーの電力を使って水を電気分解する、水電解の技術を研究している。

 水電解は、水に電圧をかけて、水素と酸素を発生させる反応を起こす。電圧をかける電極には、反応を進める貴金属の触媒を塗る。プラチナ(白金)を触媒に水素を、酸化イリジウムを触媒に酸素を発生させる反応の研究が主に進んでいて、これらの触媒は市販されている。

 研究グループが開発した新しい触媒は、貴金属のルテニウムとイリジウムの合金で、水素と酸素の発生、両方の反応を進めることができる。従来の触媒よりも、同じ電圧で水電解がより進み、耐久性も高い。

 ルテニウム―イリジウム合金…

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