インスリン用注射器で7回接種可能に 京都の病院が発表

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野中良祐
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 新型コロナウイルスのワクチンについて、宇治徳洲会病院(京都府宇治市)は8日、糖尿病患者に使われるインスリン用の注射器を使うことで、1瓶あたりの接種回数を、国が通知している1瓶5回から、7回に増やせると発表した。

 医療従事者への優先接種が始まっているファイザー製ワクチンは、使用方法を記した添付文書で、1瓶で6回分接種できるとされる。だが、一般的な注射器では内部に薬剤が残り、特殊な注射器が普及するまでは5回しか接種できない。国は2月、全国の自治体に1瓶5回分で準備するよう通知した。

 宇治徳洲会病院の末吉敦病院長は「5回では希望する職員数に足りない」と説明。院内で検討した結果、インスリン用の注射器は特殊な注射器に比べても内部に薬剤がほとんど残らないため、7回分接種できるとしている。

 この注射器は皮下注射に使われ、針の長さが、深い筋肉注射をするワクチン用の注射器の半分程度と短い。末吉院長は、日本人は欧米人よりも皮下脂肪が薄く、インスリン用で筋肉注射が可能だと説明。超音波検査で皮下脂肪の厚さを確認した上で、職員への接種を始めた。

 7回打つ方法について厚生労働省の担当者は「現時点では調査中」としている。ファイザーの広報担当者は「添付文書で6回分を接種できるとしている通りです」と説明した。

 8日、インスリン用の注射器…

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この記事を書いた人
野中良祐
くらし科学医療部次長|大阪駐在
専門・関心分野
科学全般、医療、大学・研究環境