引退間際の人気車両から盗難か 消えた備品十数件どこへ

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一條優太 黒田早織

 定期運行を間もなく終了する鉄道車両から備品が相次いで無くなり、盗まれた疑いがあるとして、JR東日本が警察に被害届を出していたことが同社などへの取材で分かった。

 JR東日本によると、備品の盗難被害の疑いがある車両は、「185系」と「キハ40系」。

 185系は1981年に登場。JR東が特急の定期列車として運行する最後の国鉄時代の車両で、鉄道ファンの間で人気がある。現在は東海道線の特急「踊り子」や「湘南ライナー」として運行しているが、ダイヤ改定前日の今月12日に定期運行を終える。

 JR東によると、昨年12月から今年2月にかけ、車両側面にある行き先表示幕や号車札といった備品が無くなるケースが十数件相次いだという。

 キハ40系は1977年に登場した国鉄時代のディーゼルの気動車。JR東管内では、五能線など秋田、青森両県の在来線を走るが、ダイヤ改定で電気式気動車の「GV―E400系」に置き換えられるなどして定期列車としての運行を終える。今年度になり、車両から備品が無くなる事例があったという。

 JR東は盗難の疑いがあるとして、各地の警察に被害届を提出。盗まれた状況など詳細は明らかにしていない。ある捜査関係者は「すぐに転売しやすいものではない」として、何者かが自宅に飾るなどして個人的に楽しむために盗んだ可能性を指摘する。

 JR東の広報担当者は「車両に付いている物で、無駄な物はない。盗難だとすればやめてほしい」と話す。

      ◇     

 鉄道車両から備品が盗まれる被害は後を絶たない。全国ではここ数年、合図灯や行き先を示すプレートを盗んだとして逮捕された例があった。今年2月には、静岡県島田市の鉄道会社「大井川鉄道」が、客車から非常灯などを盗まれたとウェブサイトで発表した。

 オークションサイトを見ると…

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