常に音楽とともに ビンシャーマン氏、百歳のメッセージ

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編集委員・吉田純子
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 100歳で亡くなったことが4日にわかった指揮者、オーボエ奏者のヘルムート・ビンシャーマンさんは2020年5月、朝日新聞社の取材に応え、コロナ禍に沈む日本の音楽家や音楽ファンに向けてのメッセージを寄せてくれました。紙面ではその一部を紹介しましたが、追悼の思いをこめ、あらためて全文を掲載いたします。

     ◇

 今、世界は、信じられないような状態になっていますが、皆様、この難しい時期を何とかお元気でお過ごしでしょうか。

 私はこの3月22日に100歳を迎えました。年相応に色々問題はありますが、何とか元気で過ごしています。

 前回日本でコンサートをしたのは2014年、94歳の時、大阪での「マタイ受難曲」ですから、もう6年もたちます。

 1世紀生きてきたわけですから、いろいろな経験をしましたが、私の一生は常に音楽と切り離しては、考えられません。ここで、ざっと振り返ってみたいと思います。

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