崎辺地区東側、米軍が返還 国が岸壁整備へ 佐世保

原口晋也
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 米軍に「崎辺(さきべ)海軍補助施設」として提供されていた長崎県佐世保市の崎辺地区東側(12・9ヘクタール)が日本に返還された。防衛省から県経由で通知を受けた市が4日に発表した。今後、同省が約10年がかりで大型艦船を係留する岸壁や桟橋、弾薬整備場などを建設する。

 崎辺東側は2013年春まで、米海軍のエアクッション型揚陸艇LCAC(エルキャック)の駐機場として利用されていた。返還は15年8月の日米合同委員会で合意されたもの、敷地に残っていた消防訓練施設の移設が返還条件になった。昨年、その移設が済んで条件が整った。

 崎辺地区は、佐世保市中心部から約5キロ南に小さく突き出た岬。戦前は旧日本海軍の水上機基地だったが、戦後に米軍が接収。1973年に佐世保重工業が大型ドックの建設計画を発表し、市を挙げての運動で74年には日米が返還に合意したが、計画が頓挫。その後、東側が米軍に再提供されるなど紆余曲折(うよきょくせつ)を経た。

 市はその後、崎辺地区全体で自衛隊による利活用を進め、西側には19年春、離島防衛を担う陸上自衛隊の水陸機動団の一部が置かれた。東側の返還について朝長則男市長は「誠にうれしい。自衛隊の施設整備が円滑に進むよう、できる限り支援したい」とのコメントを出した。(原口晋也)

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