東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は3日、評議員会を開き、五輪マラソン金メダリストの高橋尚子氏ら新たな女性理事12人を選任した。理事45人のうち女性が19人となり、女性理事の割合は2日時点の21・2%から42・2%に上がり、「女性理事の割合40%」との目標に達した。

 選ばれたのは高橋氏とパラリンピックアルペンスキー金メダリストの大日方邦子氏の元アスリートのほか、アイヌの文化を発信する登別アシリの会代表の芳賀美津枝氏や大学教授、弁護士ら12人。橋本聖子会長は「多様性と調和、男女平等でご意見をいただける方を人選した」と話した。

 2日時点で33人だった理事は45人にまで膨らんだ。橋本会長は「比率をあげればいい、人数を増やせばいい、ということではない。日々リモートや、ヒアリングでしっかりとした意見や提言をいただくことが重要」と述べた。

 組織委では、森喜朗前会長の女性蔑視発言を受け、橋本会長就任直後に男女平等の取り組みとして女性理事の割合を40%に上げることを目標に掲げていた。新たな理事は次の通り。

 ▽大日方邦子(日本パラリンピアンズ協会会長)▽斎木尚子(東大公共政策大学院客員教授)▽佐々木かをり(イー・ウーマン社長)▽白石弥生子(東京都障害者スポーツ協会会長)▽白波瀬佐和子(東大大学院教授)▽高橋尚子(日本オリンピック委員会理事)▽芳賀美津枝(登別アシリの会代表)▽林いづみ(弁護士)▽日比野暢子(桐蔭横浜大教授)▽籾井圭子(日本オリンピック委員会常務理事)▽矢野晴美(国際医療福祉大教授)▽來田享子(中京大教授)

 女性理事の比率を増やすのに、現職の男性理事に交代してもらうのは失礼にあたる。ならば、増やすしかない。こうした事情から、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の女性理事は12人増え、理事総数も45人に膨れあがった。

 開会式まで5カ月を切り、聖火リレーが22日後に始まるタイミングでの大幅増員だ。組織委は大会後には解散するため、残された時間は少ない。橋本聖子会長はこの日、期間限定の組織であることの限界を認めつつ、「レガシー(遺産)としてしっかり後世に伝えていく提言を出すことが必要だ」と抱負を語った。

 理事会は本来、業務執行の意思…

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