12歳、視力は左目の0.01 囲碁プロめざして院生に
さいたま市の岩﨑晴都(はると)さん(12)の右目は、ほぼ見えない。視力0・01の弱視の左目で囲碁を打つ。4月に日本棋院東京本院のプロ候補生「院生」になった。視覚障害者の院生は前例がなく、棋院は視覚障害者用の特別仕様の碁盤を入れて迎えた。競争相手の院生は約50人。東京本院で年間最大3枠のプロの狭き門に挑む。
晴都さんは2009年10月、1歳2カ月で小児急性リンパ性白血病を発症した。投薬による化学療法では治らず、11年3月に再発。父の誠也さん(50)から骨髄提供を受けて移植するも、12年11月に再々発した。医師から生存率20%と宣告されたが、臍帯血(さいたいけつ)移植を経て危地を脱した。
乳児期から入退院を繰り返した闘病の副作用の一つが、目に表れた。視界がぼやけ、やがて視力のほとんどを失った。
前例ない入会申し込み
囲碁との出会いは盲学校小学部2年のとき。近くに住む祖父が自宅1階を碁会所として貸していた。「黒石と白石の違いなら見てわかると思ってやってみたら、おもしろかった」と晴都さん。大好きだった「きかんしゃトーマス」そっちのけでのめり込んだ。
小5の一昨年、アマチュア強豪の曽我部敏行さん(63)が経営する碁会所に入門。曽我部さんの指導で棋力は一気に伸びた。毎日通い、入門7カ月でアマ初段から六段に。「すごい子がいる」という話は日本棋院の信田成仁(しげひと)六段(69)につながり、指導を受けるようになった。
「才能はもちろん、集中力が…
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