第4回霧矢大夢 紫子の再演、本人に学んだ「強さとはかなさ」

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 毅然(きぜん)としたりりしさと甘さを兼ね備え、長身の貴公子として輝いた「みねちゃん」。宝塚歌劇団の元星組トップスター峰さを理が1月、68歳で亡くなりました。衝撃と悲しみの急逝から1カ月。58期の同期生の元花組トップスター高汐(たかしお)巴(ともえ)、元男役スター寿(ことぶき)ひずる、そして、教えを受けた後輩の元星組トップスター湖月(こづき)わたる、元月組トップスター霧矢(きりや)大夢(ひろむ)、さらにトップのバトンをみねちゃんに託した元星組の瀬戸内美八の計5人に、その胸の内を聞きました。

 その作品は「和風ベルサイユのばら」と称された。峰さを理さんが1987年、星組のトップ時代に初演した「紫子(ゆかりこ)」。双子の兄の身代わりで男姿に身をやつし、ゆれ惑う恋心を歌い上げる。凜(りん)として時に愛らしく――。再演に挑んだ元月組トップスター霧矢大夢(きりやひろむ)さんが、思い出を語った。

 峰先生は、2000年に宝塚バウホールで初主演した「更に狂はじ」の振り付けを担当してくださいました。台本の仕上がりが遅れて、お芝居の流れが把握できないまま、先に振り付けの稽古が始まったんです。

 それでも台本が完成してみると全体にマッチして。心情にぴったり添うような振り付けでした。

 別の作品でも振り付けが先、台本があとに。すると峰先生は力強くおっしゃいました。「できあがりは遅いかもしれないけれど、絶対にいい作品になるから」。多くを語らなくても、演出家の先生への信頼感が伝わってきました。

稽古で代演、扇持つ手が震えた

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 そして2010年、トップ就…

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