国籍問わず、子どもの居場所に 松山市に子ども食堂

寺田実穂子

 子どもの孤食を減らし、安心してごはんを食べに来られる居場所をと、松山市中心部にほど近い中村2丁目に3月、新たに子ども食堂がオープンする。「国籍問わず、楽しく、あったかいごはんを食べましょう」と主催者。愛媛に暮らす外国人の支援にも力を入れている。

 「このスペースが勉強コーナーになるといいな」「保育士がくるので、どこかを保育スペースにできたらな」。リビングやダイニング、キッチンなどを備えたモデルルーム。任意団体「松山さかのうえ日本語学校」代表の山瀬麻里絵さん(33)が今月下旬、子ども食堂の会場の下見をしていた。高校・大学生、保育士などのボランティアや留学生と一緒に、子どもたちにごはんを提供したり、宿題を見たりする食堂を3月に始めるため、準備を進めている。

 山瀬さんは6年ほど前、ミャンマーの難民家族が日本に定住するための支援を東京で行っていた。政府の委託による活動で、半年ほど日本語を教えるなどした。その後も、個人的に家族と交流。「病院に行っても窓口が分からなかった」「日本の小学校に通う子どもの宿題がみられない」という話を聞き、長期の外国人支援の必要性を感じた。

 昨年、地元の愛媛に戻ってくると、技能実習生による殺人未遂事件が耳に入ってきた。「外国人が悩んでいるときに、悩み事を発散できる居場所をつくりたい」。外国人を支援する任意団体をつくった。

 コロナ禍で、外国人の飲食店主が苦しんでいることを知り、昨年12月末、インド料理店のネパール人店主が料理を提供する、一日限りの子ども食堂を企画。約60人が来店した。その後、山瀬さんは、共働きの親や夜に仕事がある親、片親など、「夜を一人で過ごす子どもが多い地域」と聞き、同じ場所で、子ども食堂を始めることを決めた。

 近くの小学校などに声をかけ、子どもたちに食堂のことを知らせるという。料理の材料となる米は寄付を受けた。3月から週1回開く。

 「一人になれる時間が少ない片親の母親も、一息つける場所になったらいい」と山瀬さん。外国人の親子も来られる居場所になればと考えている。

 松山市中村2丁目1の3の「三福本社ビル」1階。3月は3、10、17、23日、4月は7、14、21、28日の午後4~7時。大人300円、子ども無料。問い合わせは山瀬さん(090・8213・6209)へ。(寺田実穂子)…

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