「仁田川は清流!」 対馬の児童ら3月、調査の成果発表

対馬通信員・佐藤雄二
[PR]

 長崎県対馬市立仁田(にた)小学校の児童たちが、学校近くを流れる仁田川の生物や環境について調査し、「仁田川は清流である!」という結論をまとめた。足かけ2年のクラブ活動の成果を、3月7日にオンラインで開かれる「対馬学フォーラム・対馬グローカル大学発表大会」で発表する。

 調査したのは、仁田小の「ダムダムリバークラブ」の児童たち。授業で川を訪れて「川がきれいなので、生き物を探したい」と思い立ち、2019年に結成。現在は4~6年生12人が月に1回程度活動する。

 調査テーマに掲げたのは「仁田川は清流か?」。児童たちは仁田川と支流の飼所川の川底で水生生物を採取し、環境省が水質の目安にする生物(指標生物)にあたるものを調べた。「きれいな水」の指標であるヤマトビケラ類やナミウズムシ、ヘビトンボ、「ややきれいな水」の指標となるイシマキガイやコオニヤンマなどを確認した。このほかアユとその卵、河口のカモなどの水鳥の生息も確かめた。

 また、流域生態系の専門家から指導を受けながら水質調査をし、COD(化学的酸素要求量)が、2以下で推移していることも確認。これらの結果から、「仁田川は清流である」と結論づけた。

 児童たちは、このきれいな環境を持続していくために、どのような行動が必要かも考えた。川は洗剤や食べ残しなどの生活排水でよごれることから、「きれいに残さず食べます!!」との行動宣言もまとめた。

 6年生の3人は、クラブ活動を振り返り「川が身近であることや、アユがすぐそこで網にかかることが、よその人には当たり前ではないことにびっくりした。仁田のことを知らない人に見てほしい」と話した。

 フォーラムでは仁田小のほか、市内中学・高校生や、対馬で研究活動をした島外の学生による発表、昨年9月に開講した対馬グローカル大学の六つのゼミにおける成果発表もある。「SDGs未来都市対馬への期待」や「対馬グローカル大学の可能性と展望」と題したパネルディスカッションもあり、市外からも視聴できる。申し込みはグローカル大学ホームページ(https://tsushimaglocal-u.com/forum/別ウインドウで開きます)へ。(対馬通信員・佐藤雄二)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません