東シナ海などでのパトロールを担う中国海警局の役割と権限を定めた海警法が施行されて、間もなく1カ月。尖閣諸島周辺で海警船と向き合う海上保安庁は、じわじわと高まる中国の圧力に警戒を強め、日本政界でも新たな対応を求める声が高まるが、政府は緊張のエスカレートを懸念。独自の主張を強める中国に対し、難しい対応を迫られている。(冨名腰隆=北京、贄川俊、伊藤嘉孝、寺本大蔵)
領海侵入の海警に積まれた機関砲、後方には中国軍艦
2月6日未明。沖縄・尖閣諸島沖の領海内に、中国海警局の公船「海警」2隻が侵入した。海警に武器使用を認める中国の「海警法」施行後、初の侵入だった。
海警は日本漁船に数百メートルの距離まで近づき、様子を探った。海上保安庁の複数の巡視船が出動し、「日本の領海から直ちに出域しなさい」とまわりを囲むようにしながら無線で退去警告を続けた。漁船が漁を終えて領海から出るのを見届けるように、海警も領海の外へ。にらみ合いは8時間半に及んだ。
同様の事案は7、15、16、21日と続いた。
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中国公船の動きは2012年…
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