超零細企業のタブレット歯みがき、宇宙の生活用品候補に

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小西正人
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 たった2人の会社が開発した製品が、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載される候補に選ばれた。多くの大企業が参加した宇宙航空研究開発機構(JAXA)のコンペに勝ち残った。今後、安全性などの条件をクリアすれば、2022年度以降、宇宙へ旅立つ可能性がある。

 選ばれた製品は、名古屋市千種区に本社があるオーラルケア製品開発会社「TSUYOMI(ツヨミ)」のタブレット型歯みがき「カムガキ」。使い方は、レモン味の錠剤1粒を口に含み、約10秒かみ砕く。出てくる泡を口全体になじませ、歯ブラシで磨けば歯みがきになり、そのまますすぐだけでも口内を清浄にして口臭を抑える作用がある。

 JAXAが昨夏、募集した「宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策」というコンペで94件の応募から最終的に残った10製品の一つに選ばれた。選定理由は明らかにされていないが、TSUYOMIの森健一代表(52)は「持ち運びが簡単なことと、少ない水でも使える点が、宇宙生活での利便性向上に評価されたのでは」と話す。選定結果は昨年10月末に連絡があった。

 ほかに選ばれたのはワコール資生堂、ライオン、花王など生活用品を扱う大企業の製品がほとんど。TSUYOMIは2017年、森さんが立ち上げたベンチャーで現在、森さんを含め2人だけの「超零細」企業だ。それだけに今回の快挙を喜ぶ。

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