愛の不時着・梨泰院クラス…韓国ドラマのアレが食べたい

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才本淳子
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 コロナ禍で人気が再燃し、動画配信サービスではすっかり定番になった韓国ドラマ。話の内容と同じくらい気になるのが、主人公らが食べるおいしそうな食事の数々です。「食べてみたい!」。そんな食いしん坊はどうやら、私だけではないようで……。

 大阪府高槻市の男性会社員(35)は、コロナ禍で自宅にいる時間が長くなった。昨年、妻がはまった韓国ドラマ「愛の不時着」を何げなく横目でみているうちに、男性もどっぷりはまった。

 「こんな食べ方をするんだ!」。男性はドラマに出てくる食べ物が気になり出した。ドラマの最終日にはチャプチェやチヂミなどの韓国料理を作って並べた。そしてドラマの主人公らと同じように、妻と韓国焼酎(ソジュ)で乾杯しながら楽しんだ。

 以来、韓国ドラマと韓国料理ざんまいの日々だ。ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」を見ていた時は、重要な料理としてドラマに登場したスンドゥブチゲに釘付け。触発され、食卓にはチゲが並ぶことが増えた。気になる韓国料理があるとネットで調べ、料理のレパートリーも増えた。「食を知ると、更にドラマが楽しめる」

 コロナ禍で、駐日韓国文化院(東京)が韓国料理教室の動画を無料配信したところ、「ドラマででてきた○○の作り方を教えて」などと反響が多く寄せられた。今後も動画を充実させる予定だ。

 昨年末には、レシピ本「韓国ドラマ食堂」(イースト・プレス)が出版された。編集者の黒田千穂さん(31)は「ドラマをみてそこに出てきた料理を調べる人が多いのに気づいた」と話す。本では食のコラムを充実させたほか、初心者でも作れるように複雑な工程を省き、身近な食材でレシピを紹介している。先月、重版が決まった。

 著書の一人でコリアン・フード・コラムニストの八田靖史さん(44)は「注目される料理がビビンバのような日本でメジャーなものだけではないのが、面白い」という。たとえばドラマ「サイコだけど大丈夫」のヒロインの好物「ウズラの煮卵」。ドラマを機にSNSでも注目されたメニューだが、韓国では家庭料理の常備菜の一つという。

 八田さんは韓国料理の魅力について「日本人には親近感や食材などの共通点もある一方で、だしの取り方や食べ方が違う。その違いは歴史や環境をひもとくとわかる。その発見が楽しい」と話す。

 「巣ごもり消費」とドラマブームで、国内では韓国料理の関連食材が売れている。

後半は、うずらの煮卵のレシピ(「韓国ドラマ食堂」より)や、韓国在住の映画ジャーナリストの話も。

 レトルト食品「スンドゥブ」…

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