国宝が1分揺れ続けたことも 唐招提寺の仏像、免震台へ
福岡龍一郎
唐招提寺(奈良市)の宝物収蔵庫「新宝蔵」で昨年9月から始まった免震工事が3月に終わるのを前に、仏像を免震台の上に移す作業が13日、報道陣に公開された。震度7の地震も受け流し、仏像が大きく揺れるのを抑えることができるという。
寺によると、2018年の大阪北部地震では寺の薬師如来立像(国宝)などの仏像が約1分間も揺れ続けた。倒落のリスクが高いとして寺は文化庁と奈良県と話し合い、約1400万円かけて免震台を導入することを決めた。
この日は、工事の間、他の場所に移していた獅子吼菩薩(ししくぼさつ)立像(国宝)など9体の仏像を免震台の上に移す作業が朝から続いた。工事完成後もコロナ禍などのため一般公開の予定は決まっていないという。久保孝戒(こうかい)執事長は「(免震台の仏像を見て)非常に安心しました。地震はある日突然やってくる。今後も境内の免震、防災を進めていきたい」と話した。