「森会長の冗談じゃないか」 スポーツ界トップの空気感

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照屋健
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 「83歳の会長の冗談じゃないか」。東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を報じたとき、複数のスポーツ関係者からいわれた言葉だ。今も、そう考えている人はいると思う。

 問題に感じたのは、一般企業の感覚と離れた「冗談」が公の場のあいさつで通用してしまうスポーツ界トップの会議の空気感だ。背景には、競技団体の意思決定に女性や若い世代が関わりづらかった構造がある。

 この発言があった3日の日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会はまさに、「女性理事を40%以上にする」などの方針を確認しあう場だった。なのに、最後にあいさつをした森会長の言葉は、JOCが進める方向とは正反対だった。「これはダメだよな」。一緒に発言を聞いていた同僚記者も、私と同じ受け止めだった。

 JOCが女性役員を増やす方針を示したのは17年4月。スポーツ庁などと「ブライトン・プラス・ヘルシンキ宣言」に署名した。女性枠を設けた日本セーリング連盟など、一部では意識も変わったように思う。

 それでも、昨年11月の笹川…

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この記事を書いた人
照屋健
スポーツ部
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サッカー、五輪