「ワクチン有効性95%」100人中95人効くではない

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野口憲太
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 米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンが近く、承認される。国内で新型コロナの患者が確認されてから1年あまり。米国や英国からは約2カ月おくれたが、17日にも医療従事者から接種が始まる見通しだ。臨床試験(治験)では高い有効性が報告され期待が高まるが、副反応への対応なども課題となる。(野口憲太)

 今回のワクチンは「RNAワクチン」と呼ばれ、ウイルスの遺伝情報を使う。従来のワクチンに比べて早く開発できる。ワクチンは4万人あまりが参加した治験で「95%の有効性」が報告されている。事前の予想を超える高い有効性は、世界でも驚きをもって受け止められた。

 ただ、ワクチンには感染を防げる「感染予防」、感染しても発症を防げる「発症予防」、発症しても重症化を防げる「重症化予防」の主に三つの効果が期待されるが、現時点ではっきりしているのは「発症予防」の効果。95%も発症予防についての効果だ。

 新型コロナは無症状の感染者も多く、感染予防の効果を治験で実証するのは難しい。重症化予防については治験でもみている。治験の期間中に新型コロナで重症化した人は偽薬(生理食塩水)をうったグループで9人、ワクチンをうったグループで1人。ワクチンをうったグループで少ないため重症化予防もありそうだが、結論づけるには数が少なく、日本感染症学会も「評価は今後の課題」としている。

 とはいえ、インフルエンザのワクチンの場合、発症予防の効果は2~6割と言われている。新型コロナワクチンの数字はかなり高いことがわかる。

 世界で最も速いスピードで接…

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