国が建設を凍結している淀川水系の大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)について、着工に向けた手続きが再び動き出すことになった。近畿地方整備局(近畿地整)が12日、関連する6府県との調整会議をオンラインで開催し、現状の整備計画の変更手続きに入ることで一致した。

 この日までに6府県が、了承したり、有識者会議でダムの治水効果について「効果がある」との意見をまとめたりしていた。調整会議では「具体的な事業費とスケジュールを丁寧に示してほしい」(大阪)などの意見が出た。

 近畿地整は2009年に大戸川ダムの建設を凍結した河川整備計画を変更して、事業推進に転じる案を作成する見通しだ。有識者の意見聴取や住民意見の反映を経た後、正式に各知事の意見を聴くことになる。

 近畿地整は頻発する豪雨災害などに備えるため昨年7月、ダム建設を含めた今後の河川整備の事業案を三重、滋賀、京都、大阪、奈良、兵庫の6府県に提示。これまでの淀川水系の整備事業も含めて、大戸川ダムがなければ、大阪府で9兆円、京都府で2兆円の経済被害がそれぞれ生じるとする想定を示していた。

 ダムの事業費は約1080億円。国が7割を負担し、大阪、京都、滋賀の3府県が3割を負担する。地方自治体負担分は氾濫(はんらん)が生じた場合に影響を受ける世帯数などに応じて、大阪が約58%、京都が約40%、滋賀は約3%を担う。

各地で相次ぐ災害、治水効果に期待

 凍結から12年。大戸川ダムが…

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