森氏が代弁した「ラグビー村」の論理は 女性理事の視点

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聞き手・花房吾早子
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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視発言をめぐり辞任する方向となった。森氏から「(会議が)今までの倍時間がかかる」と名指された日本ラグビー協会。理事の1人、谷口真由美さん(45)に、森氏の辞任について聞いた。

 1週間前に辞めてたら、ここまで追い込まれた引き際にならなかったかもしれません。情勢を見誤った印象です。謝罪会見の前に辞意を固めていたという報道もありました。引き留めた人たちは罪深い。辞任という選択肢を森さんにあげるのが、本当の愛ではなかったでしょうか。

 ラグビーワールドカップ日本大会を控えた2019年4月。森さんは大会後を見据えた組織の若返りを求め、自ら名誉会長を退任しました。

 これを受け、現在の理事24人のうち11人が新任となりました。その一人が私です。森さんが役員の刷新を呼びかけたから、結果的に女性理事が3人増えて計5人になった。

 今回の発言を聞いて、「森さんが変革を仕掛けたんちゃいますの?」「なんで今そんなこと言うの?」って不思議でしたね。

 で、私も考えました。

 森さんの発言が出たあいさつ全体は40分近くに及んだと言います。演説と言っていいレベルですよね。

 要旨を読むと、頭の片隅にある本音がぽろっと漏れた程度ではなく、確固とした信念に基づくメッセージのように感じます。普段から考えていることだから、話せたんじゃないでしょうか。協会の変化が、森さんが思い描いていたものと違ったのかもしれませんね。

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 私と共に新たに理事になった…

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