渡良瀬遊水地の谷中湖「干し上げ」中

根岸敦生
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 【栃木】栃木、群馬、埼玉、茨城4県の4市2町に広がる渡良瀬遊水地内にある谷中湖は今、「干し上げ」の最中だ。約2640万立方メートルの水を排水し、通常時の満水位から約6・7メートル下げて湖底を露出させている。

 赤城おろしが吹き抜ける湖面では、澪(みお)筋にオシドリが浮かんでいた。普段は満々と水をたたえている谷中湖が、今は約80%が陸地化し、まるで干潟のようになっている。

 干し上げは、1990年に谷中湖の運用を開始して以降、下流で取水する浄水場の水から発生していた「かび臭」の抑制のために実施している。

 遊水地を管理する国土交通省利根川上流河川事務所によると、かび臭は窒素やリン酸を栄養とする植物プランクトン放線菌などが作り出す物質が原因で、墨汁のような臭い。2004年から続けている干し上げで、湖底の泥に含まれる窒素やリン酸が水に溶け出すのを抑え、異臭の苦情は減っているという。

 天候次第で20日ごろから再び水をたたえ始める予定だ。根岸敦生

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