定員超える患者入院許可 コロナ自宅療養急増で緊急対応

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阿部彰芳 姫野直行 月舘彩子
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 新型コロナウイルスで医療現場が逼迫(ひっぱく)する中、厚生労働省は、症状の改善後もリハビリなどが必要となる患者を受け入れる医療機関に対し、定員を超えた受け入れを認める緊急対応を始めた。転院が進まないために重症者らが入るベッドが空かず、自宅待機中に亡くなる例も報告されている。転院を促すことで、こうした現状を改善させるねらいがある。

 厚労省の集計によると、病院や宿泊施設、自宅で療養している感染者は昨年12月2日時点で2万1千人。それがピーク時の1月20日までに3・3倍の6万9千人に増えた。これに対し、同じ期間に入院患者は1・7倍しか増えなかった。一方、自宅療養の人は5・6倍に増えた。

 入院用のベッドや医療スタッフの不足が大きい。一方、軽快後の患者が退院できず、ベッドが空かない状況も問題視されている。

 とくに高齢者はリハビリやほかの病気の治療で引き続き入院が必要になることがある。地域の医療機関に転院させ、コロナ用のベッドを空けていくことが求められているが、院内感染を懸念し、受け入れに消極的になっているところも少なくない。

 転院を促すため、厚労省は昨年12月以降、こうした患者を受け入れた医療機関に対し、診療報酬を増額。さらに2月2日付の全国の自治体に出した文書で、定員を超えて入院させたり、会議室など病室以外の場所に入院させたりすることも認めた。医療法では認められていないため、「緊急時の一時的なもの」に限定。医療機関側が都道府県と事前に協議しておくことを条件にしている。

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 ただ、すでに転院患者を受け…

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