ウイグルで急増する不妊手術 米「ジェノサイド」と非難

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北京=冨名腰隆
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 中国政府が「一人っ子」政策を廃止して出産の奨励を進めるなか、新疆ウイグル自治区で女性の卵管や男性の輸精管を縛る不妊手術が急増していることが中国政府の統計で明らかになった。米国政府などはウイグル族を民族として消滅させようとする「ジェノサイド(集団殺害)」だとして非難しており、米中間の新たな対立点にもなりそうだ。

 中国政府が発行する「中国衛生健康統計年鑑」によると、同自治区で行われた卵管を縛る手術は2014年の3139件から18年は6万件弱となり、5年で19倍に急増した。男性の輸精管を縛る手術は75件から941件に、子宮内避妊器具(IUD)の装着も20万件から33万件に増加した。18年の自治区総人口は2487万人でウイグル族は半数の1272万人を占める。不妊手術の民族別の統計は明らかにされていない。

 中国政府は1970年代末から出産を厳しく制限する政策を続けたが、人口減少や高齢化への懸念から2016年に方針を転換。現在は民族の違いにかかわらず、都市部では2人まで、農村部では3人までの出産を認めている。

 そうした状況から、中国全土では不妊手術やIUD装着が減少傾向にあり、卵管の手術は14年に147万件だったのが18年は40万件に、IUDの装着も85万件から38万件まで減った。そのなかで新疆ウイグル自治区の伸びは突出している。

自治区政府は反発

 背景は不明だが、同自治区の…

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