「死ぬかもしれない」 誰にも頼れない、単身の自宅療養

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黒田壮吉 増山祐史
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 息苦しくてベッドから動けなくても、自宅で1人、耐えざるをえない――。総世帯数の約47%を単身世帯が占める東京で、自宅療養を強いられている人たちがいる。都内の新型コロナウイルスの感染者は1日、累計で10万人を超えた。急速な感染拡大で病床や人手の確保は追いつかない。

 今年の元旦。テレビからは正月特番のにぎやかな声が流れるなか、大学生の女性(18)はベッドで体を丸めて必死に呼吸を整えていた。空気をうまく吸い込めない。全身が痛み、しびれもひどかった。都内のマンションで一人暮らす。

 「このままでは死んでしまうかもしれない」。体調が悪化したときのための都の相談窓口に電話した。30分以上かけてやっとつながり、入院かホテル療養はできないかと助けを求めた。しかし返ってきたのは「電話できているなら、大丈夫でしょう」。ベッドの上で涙した。

 新型コロナウイルスの感染がわかったのは、この2日前だった。大学の授業はほとんどオンライン。心当たりはなかったが、左腕のしびれや倦怠(けんたい)感があり、自宅近くの病院でPCR検査を受けた。陽性と判定されたときは37・5度ほどの熱があるぐらいで、自宅で療養するよう保健所から指示された。「若いからすぐ治る」とも言われたという。

「若者だから」 軽視されていたのでは

 しかし急に体調が悪化した…

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この記事を書いた人
増山祐史
東京社会部|国土交通省担当
専門・関心分野
運輸行政、事件事故、独占禁止法、スポーツ