10万人に3億円、実験進むデジタル人民元 日本は警戒
深圳=西山明宏 サンフランシスコ=尾形聡彦 笠井哲也 寺西和男
中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の開発や研究が、各国で加速している。先行する中国は2022年の発行を目指し、日本銀行も今春にも実証実験に着手する。今後の動向次第では、金融システムや国際的な通貨体制にも影響する可能性があり、各国のせめぎ合いも激しくなっている。
経済特区40周年を迎えた中国・深圳。昨年10月、一般市民が参加できる最初の大規模なデジタル人民元の実験があった。抽選で選ばれた約5万人にデジタル人民元200元(約3200円)分をプレゼントし、市内約3400店舗での買い物に使えるというものだ。
会社員の胡軒さん(23)は抽選で選ばれた1人。中心部の書店のレジで、スマートフォンでデジタル人民元の財布アプリを起動すると、実物の人民元札と同じ毛沢東の絵が表示された。
画面を指でスライドすると、QRコードが表示されてレジで読み込める。本2冊で計200元弱を支払った。
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