外国人なしでは「街がなくなる」国際競争、被災地に試練

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徳島慎也
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 「移民政策」のゆがみが東日本大震災の被災地に影を落としている。人口が減り、働き手の外国人頼みが強まっている。いまの仕組みでは定住を促すのは難しく、コロナ禍がもろに響く。そんな状況は、日本全体の縮図でもある。

 人口6万人ほどの宮城県気仙沼市に、イスラム教の礼拝所がある。漁業や水産加工に携わるインドネシア人の技能実習生のため、地元の有力企業、菅原工業が一昨年夏に設けた。

 菅原渉社長(46)は「インドネシアでは中間層が増え、日本に来てくれる人は減っていく。それでも選ばれる街でありたい」。礼拝所のとなりには豚肉を使わない料理店を開いた。

 地元の努力は教育面にも及ぶ。実習生向けの日本語教室を月に2回、住民らが開いている。「漢字が難しいけど、覚えると楽しい」。来日3年目のレギタさん(22)は話す。

 宮城県は、日本語学校を設ける検討に入った。村井嘉浩知事は「人口の減少は(津波被害にあった)沿岸部で最大の課題。新たな人に移り住んでもらうことは非常に重要」と話す。

 働き手世代である15~64歳の人口(生産年齢人口)はこの10年、全国で6%減ったのに対して、岩手、宮城、福島の被災3県では11%減。気仙沼など三陸沿岸部の減少は著しく、実習生への依存度が高い。

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 三陸沿岸部で水産加工を営む…

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