「時限措置」だった日銀のETF購入 当時の懸念現実に

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渡辺淳基
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 日本銀行は25日、2010年下半期の金融政策決定会合の議事録を公開した。日銀が続ける上場投資信託(ETF)の買い入れに踏み切った時期。日銀の財務に与える影響などの副作用を意識しつつ、「時限的な措置」として導入を決めた様子がうかがえる。しかし、日銀のETFの保有額は巨額に膨らみ、今も出口の議論すらできず、当時の懸念が現実になっている。

 当時の日本経済はリーマン・ショック後の円高と、物価の下落が続くデフレに苦しんでいた。09年11月に政府がデフレを宣言。日銀は有利な条件でお金を貸す新しい資金供給制度をつくり、10年8月にはその枠を拡充したが、大きな効果はみえず、翌月には1ドル=82円台まで円高が進行。菅直人政権が6年半ぶりの為替介入に踏み切った。

 菅首相はさらに、日銀に「必要な政策対応を」と異例の注文をつけた。こうした中、ETFや不動産投資信託(Jリート)の購入という前例のない政策に踏み込むことを決めたのが10月4~5日の会合だった。

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 政策の狙いは、日銀が買い手…

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