「不況が続けば株価が上がる」――。株式市場では、こんなゆがんだ相場観が広がりつつある。
なぜかといえば、コロナ不況が続けば、日本銀行や米国の中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)が緩和マネーをますます供給してくれる、市場を下支えしてくれる、という期待があるからだ。いまの空前の株高ブームはそういう投資家たちの期待で成り立っている。
つまり「中央銀行バブル」である。
コロナショックを乗り越えるためとはいえ、中央銀行がバブルを人為的に作るのはいくら何でも行きすぎではなかろうか。さまざまな市場参加者たちの取引のなかで適切な価格を探していくマーケット機能を、金融政策が壊してしまったと言ってもいい。
本来ならこうした金融システムの不具合に一番敏感であるべき日銀が、むしろその原因を作り出しているのはかなり倒錯した状況だ。
21日夕に日本銀行本店で開かれた記者会見で、私はこの問題を黒田東彦総裁に問うた。
「無責任」な総裁答弁、会見でもう一つ質問
――不況が続けば株価が上がる、という今の株式市場の相場観はゆがんでいる。金融政策の問題ではないか?
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この質問を聞くと、黒田総裁…
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