バイデン政権、気になる通商政策 対中国は厳しい姿勢か

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ワシントン=青山直篤
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 20日発足したバイデン政権の通商政策は、同盟国との連携を重視する一方、中国に対しては引き続き厳しい姿勢で臨むとみられる。ただ、当面はコロナ危機で傷んだ国内経済の立て直しに注力することになりそうだ。

 「労働に報い、中間層を立て直す」。バイデン氏は20日の演説で強調した。

 4年前の大統領選で民主党が敗れた背景は、「労働者の党」という政治的なPRの「お株」をトランプ氏に奪われてしまったことだった。コロナ禍の不況対策や格差是正が新政権の急務で、日本や中国などに対する通商・経済外交も、そうした国内政策上の狙いに沿って進めることになる。

 「不法な政府補助金、知的財産の窃取、技術移転の強要、ダンピング……」。19日の米上院公聴会で、次期財務長官に指名された米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン前議長は中国の問題を列挙した。「こうした不正な通商慣行や、中国の劣悪な労働・環境条件に対処するためあらゆる手段を使う」

 中国は冷戦終結後のグローバル化で最大の受益者となり、米国でも貿易や資本移動の自由化で、多国籍企業やIT・金融業界は巨富を手にした。一方、米労働者の雇用は減り、中間層の実質賃金は伸び悩んだ。

 民主化しないまま、国家主導の産業政策や、サイバー攻撃なども含む知財侵害を通じて成長を続けた中国。従来の世界貿易機関(WTO)体制では対応できない――。そんな声が米世論の主流になった。対中制裁関税で解決を図ったトランプ政権に対し、バイデン政権は「改めさせるためにどう圧力をかけるか、同盟国と協議する」(サリバン次期安全保障担当大統領補佐官)との姿勢を示す。

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