バイデン政権、異例ずくめの船出 米国民主主義の行方は

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聞き手・大部俊哉 聞き手 ワシントン・沢村亙
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 内に分断を抱えた社会、外には揺らぐ国際秩序。かつてない危機の中でバイデン氏が民主主義の灯火を掲げ、米国の新大統領に就任した。その行方を世界が凝視している。新政権を取り巻く課題について米国と日本の識者に語ってもらった。

中林美恵子早稲田大教授 腐敗の監視体制、崩れる恐れ

 ――民主主義を強調するバイデン氏の姿が印象的でした。

 「具体的な政策より民主主義や融和がテーマで、歴代の中でもトーンを抑えた演説でした。議事堂襲撃事件や新型コロナウイルスを意識したもので、熱狂でなく癒やしを求めるバイデン氏の立場を表現していたと思います。米国に正常が戻るという希望を与えたことでしょう。現実はそう簡単ではないですが、いま必要なメッセージでした」

 「一方、過激主義や白人至上主義を打ち負かすとの厳しい言葉も入れました。分断が暴力を招き、民主的手続きを危うくしたトランプ時代と決別し、民主主義や国際協調を修復する意志を国内外に示したと思います」

 ――国内の分断はなお深刻です。新政権下で、どんな動きが予想されますか。

記事後半では、共和党の責任や国際秩序への影響について、米国の識者の視点を紹介します。

 「共和党の出方が問題となる…

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この記事を書いた人
大部俊哉
マニラ支局長|東南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
安全保障、国際政治、貧困問題
沢村亙
論説委員|国際社説
専門・関心分野
国際政治、ヨーロッパ、米国、民主主義、核問題