電通本社ビルの売却検討、3千億円規模か 本社移転せず

土居新平
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 電通グループが、東京都港区の本社ビルの売却を検討していることが分かった。複数の企業などから買い取りの提案を受けている段階で、1月中にも優先交渉先を選ぶ予定という。売却額は3千億円規模になる可能性がある。売却後も大部分を借り受け、本社移転はしないという。

 電通本社ビルは地上48階建て・高さは約210メートルで2002年に完成した。JR新橋駅にほど近く、約60の飲食店などからなる商業施設「カレッタ汐留」が入っている。ビルで勤務する社員9千人超は現在、新型コロナウイルス禍でテレワークを活用しており、出社率は2割程度という。

 このため、借り受けた後の電通のオフィス面積は半分ほどに圧縮する方向だ。電通グループは国内外で主力の広告事業が苦戦し、20年12月期決算で純損益が2年連続で赤字となる見通し。売却によって財務基盤を強化する狙いもある。

 企業が自社ビルを売却する動きは他社にも出ている。音楽事業大手のエイベックスは昨年12月、本社が入る東京・南青山のエイベックスビルを売却すると発表。アパレル大手の三陽商会は昨年、東京・銀座の旗艦店ビルを売却した。(土居新平)

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