河野氏、政権の命運握るワクチン担当 遅れ回避なるか

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相原亮 坂本純也 富田洸平 野口憲太
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 菅義偉首相新型コロナウイルスのワクチン接種の担当に河野太郎行政改革相を起用した。政権内で「前代未聞のプロジェクト」との声も上がるワクチン接種。首相が「縦割り打破」を期待する河野氏のもと、目標の2月下旬までにスタートさせ、早期に国民に行き渡らせることができるのか。

 首相は18日、ワクチン担当に河野氏を充てると発表した。河野氏は翌19日の記者会見で「安全で有効なワクチンを一人でも多く、一日でも早く接種できるように全力を尽くしたい」と語り、意気込みを見せた。

 昨年末からの感染急拡大で、コロナによる死者数(厚労省調べ)は、12月1日の2171人から今月17日の4500人と倍増した。危機感が強まる中、自民党幹部が「ワクチンに失敗したら菅政権が終わってしまうぐらいの話だから、頑張ってほしい」と声をかけると、河野氏も職責の重さを受け止めていたという。

 政府は、2月下旬までに医療従事者向けのワクチン接種を始める方針だ。その後は高齢者向け、基礎疾患のある人向けと対象者を段階的に拡大し、一般国民の接種が中心となるのは6月ごろと見込む。官邸幹部が「ワクチンが頼みの綱」と語るほど、政権がかける期待は大きい。

 ただ、ワクチン接種をめぐっては、すでに縦割りの弊害が指摘されていた。接種は厚生労働省、輸送は国土交通省、冷凍保管は経済産業省、都道府県との調整は総務省など複数官庁にまたがる一大プロジェクト。行革相として「役所のケツをたたくのが得意」(政府高官)な河野氏を起用することで、早期に接種の環境を整える狙いがある。

■厚労省への「不満」…

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