(古都ぶら)かつての軍の倉庫、共有オフィスに

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大久保直樹
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舞鶴赤れんがパーク

 京都府舞鶴市は1901(明治34)年に旧海軍舞鶴鎮守府が置かれ、軍港として発展した。軍需品などを保管していた赤れんが倉庫は今も残り、歴史を伝えている。昨年、その一角がコロナ禍で注目されていると聞き、取材に出かけた。

 JR東舞鶴駅から北西へ10分ほど歩くと、れんが造りのトンネルに着いた。1904年、旧海軍施設への引き込み鉄道路線を整備する際、設けられた北吸トンネルだ。今は歩行者や自転車が通る生活路で、国登録有形文化財になっている。長さ110メートルのトンネル内を歩くとコツコツと靴音が響き、別世界にいざなわれるような感覚になる。

 トンネルを抜けると、赤れんが倉庫が見えてくる。舞鶴鎮守府が置かれた影響で数多く建設され、12棟が現存する。うち8棟が2008年、国重要文化財に指定された。市が12年5月、観光交流拠点として、一帯を舞鶴赤れんがパーク(同市北吸)をオープンした。

 赤れんがの重厚な雰囲気は、映画や音楽ビデオのロケ地として人気を集める。最近では、昨年亡くなった三浦春馬さんの遺作「天外者」や、菅田将暉さん主演の「アルキメデスの大戦」などの撮影で使われた。市の担当者は「コロナが終息すれば、また撮影に活用してほしい」と話す。

     ◇

 目的地は倉庫群の一つ、小銃庫などに使われていた1902年築の3号棟にあった。旅行先で、リモートでワーク(仕事)をしながら、バケーション(休暇)を楽しむ。そんな「ワーケーション」の環境を整えた共有オフィス「コワーケーション ビレッジ MAIZURU」だ。市が2019年4月、オープンした。

 WiFi(ワイファイ)やプロジェクター、リモート会議用のカメラなどを備える。当初は利用が低調だったが、新型コロナウイルスの影響で状況が一変。19年10月に57人だった利用者は、昨年3月に210人に急増。同11月には419人にまで増えた。

 学校の休校などで学生が利用…

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