死後3カ月の放送、難病のパーソナリティーが残した言葉

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芳垣文子
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 札幌市西区のコミュニティーFM「三角山放送局」でパーソナリティーを務めていた米沢和也さんが昨年夏、62歳で亡くなった。体の自由が徐々に奪われる難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘いながら、声を失っても活動を続けていた。最後の放送は、新型コロナウイルスの影響で、亡くなってから3カ月後の昨年10月だった。

 米沢さんは2013年にALSを発症した。一度ゲストで三角山放送局の番組に参加したのがきっかけで、15年6月から「ALSのたわごと」と題した自分の番組を持つようになった。病気や事故で声を失った人の意思疎通を支えるNPO法人「i(アイ)Care(ケア)ほっかいどう」の佐藤美由紀さん(56)が共演、サポートした。

 最初の1年ほどは自分の声で放送を続けていた。16年8月に気管切開をして人工呼吸器を装着し、声を失った。しかし、その後も気管切開前に録音しておいた自分の声を元に、専用のソフト「ボイスター」を使って番組に臨んだ。

 わずかに動く視線で1文字ず…

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