破綻の夕張リゾート、負債は5億円超 事業再開見通せず

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斎藤徹
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 昨年末に経営破綻(はたん)が明らかになった北海道夕張市の「夕張リゾート」の経営再開が極めて厳しい状況にあることが、関係者への取材でわかった。同社の負債総額は5億円を超え、返済の見通しが立たない状況だ。同社は市内でスキー場やホテルなど、市の観光振興に欠かせない施設を運営していたが、施設は休業したまま。市は事業継続を強く求めているが、休業の長期化でさらなる人口流出が懸念される。

 「夕張の市政を揺るがしかねない大きな事態と受けとめている」。夕張市の厚谷司市長は昨年12月30日に臨時の記者会見を開き、夕張リゾートの経営破綻が市の経済に与える影響の大きさを説明した。

 市によると、同社代理人の弁護士とは同28日に連絡が取れた。厚谷市長は代理人を通じて、同社にコロナ終息後の一日も早い事業再開や、閉鎖中の施設の劣化防止などの要望を伝えた。だが、今月8日現在も、同社からの具体的な回答はないという。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、昨年は市内への観光客数が激減。ホテルは休業を余儀なくされ、12月15日にはスキー場の今季の営業休止も決まった。その後、同24日に同社が自己破産の申し立てを明らかにした。

 複数の関係者によると、同社の負債総額は5億円以上だが、預貯金は約200万円しかないという。債権者はホテルなどに食材や燃料を納入していた市内外の業者や、スキー場のシーズン券を購入した客ら数百人に上るとみられる。

 同社は今月中には裁判所に破産手続き開始の申し立てをする方針だ。代理人を務める杉山真一弁護士(第二東京弁護士会)は取材に、「スキー場やホテルが夕張市にとって重要な施設であることはオーナー始め関係者は理解しており、良い方向に進むよう努力したい」と話す。

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