タブーだった王室批判に火がついた…タイのデモ先鋭化へ

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バンコク=貝瀬秋彦 聞き手・貝瀬秋彦
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 タイで若い世代が主導する反政府デモは、王室改革により焦点をあて、先鋭化しつつある。三大要求のうち王室改革を「本丸」とし、今年さらに力を注ぐ構えだ。タブーとされてきた王室への批判に火が付いており、国際社会の懸念をよそに、不敬罪などを利用して抑え込みを図る政権側との攻防が激化しそうだ。

 「来年(のデモ)はより激しくなる。不敬罪の廃止なくして王室改革への道はない」。デモ隊のリーダーの1人で人権派弁護士のアノン氏は昨年12月21日、不敬罪の疑いで出頭を求められたバンコクの警察署の前でこう述べ、王室改革を最重要の目標に据える考えを示した。

 昨年7月に再燃したデモで若者らは当初、軍事政権の流れを受け継ぐプラユット政権の退陣や、軍政下で定められた憲法の改正を要求。8月にアノン氏が王室に関する議論の必要性を訴え、学生らが王室予算の削減や政治への不介入といった具体的な要求を掲げると、タブーを破る形で若者らの間に賛同が広がり、政権退陣と憲法改正、王室改革が要求の三つの柱となった。

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 根底には、国王を頂点に軍や…

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