「社会のコロナ慣れ怖い」 重症化リスクの子を持つ不安

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阿久沢悦子
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 基礎疾患を持った人が新型コロナウイルス感染症にかかると重症化しやすいと言われる。子どもは一般的に軽症か無症状が多いとされるが、基礎疾患を持った子どもや家族は、油断ができないしんどさを抱えている。

 静岡県富士市の杉本蓮典(れんすけ)くん(9)は今年1月から、通っている市立小学校を自主的に休んだ。蓮典くんには三尖弁(さんせんべん)閉鎖症という心臓病があり、母の舞子さんは「万が一感染しては大変だ」と、家庭での自主学習に切り替えた。3月、全国の小中学校が一斉休校になった時はホッとして涙が出た。「他の子たちが学校に通う中、ひとりぼっちで自主学習させるのが一番つらかった」と舞子さん。

 飲食の場での感染リスクが高いため、休校明けも6月半ばまで給食を食べずに早退。その後、市内の感染状況が落ち着いていたため、給食だけ別室で食べる形に切り替えた。第2波が沈静化した9月下旬からは通常登校している。

 蓮典くんは「いつも遊んでいる友達ともコロナが収まるまで遊ばない」と慎重だ。市内では11月以降、飲食店を中心にクラスターが多数発生している。舞子さんは「外出にも気を使う。一人でも多くの人がPCR検査を受け、陽性者を隔離して、感染を抑え込んでほしい」と言う。

 磐田市の玉澤優時(ゆうと)くん(10)は単心室で、0歳と1歳の時に手術を受けた。「心疾患の子どもは重症化する可能性がある」と聞き、優時くんと姉のくる実さん(13)は、学校から帰宅後、遊びに出ることをやめた。家族で話し合い、第2波が落ち着いた9月下旬以降は「屋外で、マスク着用で、飲食なしなら遊んでいい」と決めた。でも、くる実さんは「ショッピングセンターには行ってない。どうしても友達とお茶を飲むことになるし」。優時くんも「友達のうちで出されたおやつを断るのがつらい」。

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