アルゼンチン、中絶合法化か否か 世論二分、審理大詰め

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サンパウロ=岡田玄
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 南米アルゼンチンで、人工妊娠中絶を合法化する法案の審議が大詰めを迎えている。カトリック信徒が人口の6割を占める同国では妊娠中絶が長年禁止されてきたが、女性の地位向上を目指す運動の盛り上がりもあって政治課題となり、世論を二分している。

 「違法中絶で一人も殺さない」

 「胎児も命だ」

 アルゼンチン国会前などでは、中絶合法化の法案をめぐる賛否双方のデモが続く。「女性の体は女性自身のものだ」と主張する賛成派は緑のバンダナを手や顔に巻き、反対派はシンボルカラーの水色の布や国旗を手に「二つの命を救え」と求める。

 下院は12月11日、法案を賛成多数で可決し、上院も29日に採決予定だ。

 アルゼンチンでは1886年に刑法で中絶が全面禁止された。現在も性的暴行や母体の命に関わる妊娠など、例外的にしか認められておらず、違反すれば手術に関わった医師や看護師だけでなく、中絶した女性にも禁錮刑が定められている。法務人権省によると、2007~16年に63人が中絶の罪で有罪になった。

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 それでも、違法の妊娠中絶は…

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