世界遺産の巨大古墳、相次ぐ「新説」 高さを意識した?

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編集委員・中村俊介
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 巨大古墳がひしめく大阪府の「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」。2019年の世界遺産登録で一躍世界に知られる存在になっても、多くの謎に包まれたままだ。ミステリアスな古代のモニュメントは今なお研究者の探究心をくすぐり、「新説」の登場を誘う。

巨大化の理由は?

 古墳群の一角を占める大阪府羽曳野市は2020年秋、研究者らを招いて連続市民講座を開いた。そこでは、いずれも斬新なアプローチが披露された。

 まず、なぜこれほどに巨大なのか。5世紀、大王墓の規模は極限に達し、百舌鳥古墳群の大山(だいせん)古墳(伝仁徳天皇陵)や古市古墳群の誉田御廟山(こんだごびょうやま)古墳(伝応神天皇陵)の墳丘長は400メートル以上に及んだ。絶大な権威を見せつけるためというのが通説だ。

 ところが、国立歴史民俗博物館の松木武彦教授の見方は少し違う。巨大化がエスカレートしたのは墳丘をより高くするためで、そこに亡き王を天に祭り上げようとした日本独自の思想を読み取るのだ。

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 「神とみなされた亡き王は天…

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