経営難のJR北海道、国が財政支援継続へ 増額も示唆

長崎潤一郎 斎藤徹
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 国土交通省は12日、経営難のJR北海道への財政支援を来年度以降も続ける方針を表明した。2020年度までの2年間で約400億円を支援しており、21年度以降も支援を続ける。同じく経営難のJR四国への支援も続ける方針だ。支援のために必要な関連法の改正案を来年1月開会予定の通常国会に提出する。

 国交省と北海道、JR北などが12日に札幌市で会議を開き、国交省の上原淳・鉄道局長は、これまでのJR北や道など地元自治体の利用促進策を評価し、「もう一歩進めた形で支援策の充実、強化をはかる」と述べた。支援期間や金額は今後詰めるが、従来の年約200億円の増額も示唆した。

 一方、JR北の経営再建のため、赤字路線の維持費用を地元自治体が一部負担する枠組みはまとまらなかった。JR北は「単独では維持困難」とする13線区のうち、8線区は地元負担を前提に存続したい考えだが、鈴木直道知事は会議で「単なる赤字補塡(ほてん)はできない」と明言した。地元負担がまとまらなければ、JR北の赤字はさらに膨らみ、線区の維持が困難になる可能性がある。

 国は18年7月に、JR北に経営改善を求める監督命令を出して財政支援を決定。JR北は赤字路線の廃止などを進め、北海道新幹線の札幌延伸後の31年度の経営自立を目指している。(長崎潤一郎、斎藤徹)

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