障害者施設で虐待か、元職員逮捕 内臓に穴、のち死亡
柏樹利弘 山崎輝史
愛知県東浦町の知的障害者施設で昨年7月、入所者の男性(当時54)が大けがを負う事件があり、県警は同施設の元非常勤職員で無職水野有幸容疑者(45)=同町緒川=を4日に傷害容疑で逮捕した。男性は約3カ月後に死亡。この施設では他に2人が男性と同じように内臓にけがをして、うち1人が死亡しており、県警は虐待が繰り返された可能性があるとみている。
県警によると、水野容疑者は昨年7月24日夜から25日未明、勤務先の障害者施設「なないろの家」で男性の下腹部を蹴り、消化管に穴があく大けがを負わせた疑い。男性は意思疎通が難しい重度の障害があった。水野容疑者は空手の有段者で、当時は1人で宿直勤務をしていた。「個室で2回蹴った」と容疑を認め、「男性が言うことを聞いてくれず、ストレスがありイライラしていた」などと供述しているという。暴行と死亡との因果関係は捜査中という。
関係者らによると、昨年6月末に入所者の50代男性が消化管に穴があくけがを負い、翌7月に事件が発生。別の入所者も内臓のけがで死亡した。昨年9月に病院から虐待の疑いがあると通報があった。