反対派「世論誘導だ」 夫婦別姓の表現案、自民内に異論

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小野太郎
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 選択的夫婦別姓制度の導入をめぐる議論で、4日の自民党の部会が紛糾した。政府の第5次男女共同参画基本計画の原案について、反対派から「世論誘導だ」といった異論が相次いだからだ。月内に閣議決定を予定しているが、部会長一任とはならず、8日に再び議論することになった。

 男女共同参画政策を扱う同党の内閣第一部会と、女性活躍推進特別委員会が4日、合同で会合を開いた。原案が示されたが、夫婦別姓制度の表現に意見が集中した。

「ありきで一気に、と感じる」

 出席した議員や同部会の冨岡勉部会長によると、A4判で約2ページ分の別姓関連の記載のなかで、制度が導入されないことで生じる支障が例示され、導入を容認する世論が高まりつつある状況をまとめていることがやり玉に挙がった。反対の立場の議員から「世論を誘導する書き方だ」などの指摘が出たという。

 前少子化担当相の衛藤晟一・参院議員も会合後、記者団に「最初から(導入)ありきで議論を一気に進めてやろうという感じがする」と指摘した。

 賛成の立場の議員は「反対の人の声が大きくて、全然議論にならない」と漏らした。

小泉環境相は「反対する理由ない」

 夫婦別姓制度をめぐっては、一部の閣僚が4日午前の記者会見で質問に答える形で持論を述べた。小泉進次郎環境相は「反対する理由は何もない」ときっぱり。「別姓でなければならないという制度だったら、私は反対だが、別姓にするか、今の通りかを選択ができるようになる。別姓が嫌な方はその選択肢を選ばなければいいわけだから」と語った。「私は選択が可能な社会をつくることは非常に大切なことだと思う」とも強調した。

河野行革相 議員個人で賛否投票も選択肢

 河野太郎行政改革相は法改正が行われる場合には、法案の採決で政党が所属議員の賛否を縛るのではなく、議員個人の判断で投票する形式も選択肢ではないかとする考えを示した。

 「価値観に関わるもので、国…

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