タクシー酔客「自分で起こして」警察要請に運転手の悩み

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小松万希子
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 お酒を飲んでタクシーに乗り寝込んでしまう。こうした酔客への対応について、愛知県警が県や名古屋市のタクシー協会に「まずは自助努力で起こして」と申し入れをした。これまでは通報を受けると出動し、酔客を起こしてきたが、本来の仕事に支障が生じる可能性もあり、見直すことにした。

 「女性客は、触って起こすことはとてもできない」

 名古屋市の夜の繁華街を回るタクシー運転手の男性(68)は話す。行き先を言えないほど泥酔している客は断るが、友人に乗せられ住所を指定されると断れない。寝込んだ場合、警察官を呼んで起こしてもらっていたという。

 「ドアをバタバタ開閉したり、天井をドンドンたたいたり」。ある女性運転手はそうしているが「起きてくれない客もいる」とこぼす。

 年末は杯を重ねた「大虎」も増える。県警によると、昨年12月に寄せられたタクシーの寝込み客に関する通報は146件。全件で警察官が出動し、客を目覚めさせる手伝いをした。

 しかし、こうした対応がパトロールや事件の初動対応の妨げになることもあるという。そこで県警は今年に入り、酔客が起きない場合、運転手が同僚を呼んだり、営業所に戻ったりするなど、タクシー会社側で対応するよう協会側に申し入れた。無賃乗車や暴れる客、体調不良が疑われる客などは除外した。

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 両タクシー協会はこれを受け…

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