第6回ポピュリズムが現在進行形の中南米 米国は手本になるか

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サンパウロ支局長・岡田玄
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サンパウロ支局長・岡田玄

 米国のトランプ大統領の登場でお株を奪われた感があるが、しばらく前まで、「ポピュリズム」と言えば中南米だった。代名詞的存在のアルゼンチンのペロン元大統領だけでなく、時代や経済政策などの違いはあれど、多くのポピュリスト政治家が生まれたためだ。敵と味方をはっきり分け、「我々」だけが正義で、多数派だと主張するのがポピュリズムだとすれば、中南米では、そうした政治家が民主主義のよって立つルールを幾度となく破壊した。それは現在進行形だ。

 トランプ氏の4年間と今回の米大統領選を、中南米の現状や歴史とも重ね合わせ、「ポピュリズム」をキーワードに考えてみたい。

 「私の立場ははっきりしている。トランプ氏の再選を信じている」。ブラジルのボルソナーロ大統領は米大統領選の投開票翌日の11月4日、こう発言した。

 自身に批判的な新聞やテレビなどを「フェイクニュース」と切り捨て、SNSで過激な発言を繰り返す。ボルソナーロ氏は「熱帯のトランプ」「ブラジルのトランプ」と呼ばれた。2019年の大統領就任後に訪米しトランプ氏と面会した時には「たくさんの共通の価値観を持つトランプ氏を尊敬している」と語り、親トランプの姿勢を鮮明にした。再選を望むという発言は正直な思いだろう。選挙から3週間が過ぎたが、まだ、バイデン前副大統領の勝利を認めていない。

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 ボルソナーロ氏とトランプ氏…

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