聴覚障害者にどう伝える? コロナで増えた首長動画 

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、知事や市長が自ら動画を通じて情報を発信する機会が増えた。その分、聴覚に障害を抱える人たちから「情報保障」を求める声も高まっている。手話以外の手段で応えようとする自治体も出てきた。

東京都は「リアルタイム字幕」実現

 「引き続き同居する人からの感染割合が最も多くなっています」

 11月5日午後、東京都の小池百合子知事は動画の生配信で都内の感染状況を説明した。こんな時、都は2種類の動画を配信する。一つは映像の左上に手話通訳がついているもの。もう一つは、これに加え、画面右側に知事発言が字幕でリアルタイムに表示されていくものだ。

 国内で障害者手帳を持つ聴覚障害者は約45万人。会見など公的な場面の情報保障は手話通訳が多いが、実は、手話を主なコミュニケーション手段としている人は2割ほどだ。加齢や病気などで後天的に障害を持つようになった人を中心に、手話が理解できない人も多い。字幕はそうした人に有用な伝達方法だ。

 都の動画に字幕をつけているのはNPO法人「メディア・アクセス・サポートセンター」(MASC、東京都渋谷区)。音声認識で字幕を作るアプリ「UDトーク」を使いながら、5人前後のスタッフが音声認識の誤りをリアルタイムで修正していく。

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